バイレ(踊り)

フラメンコ舞踊に必要なものと小物

これからフラメンコを習い始める人たちのために、フラメンコを踊るのに必要なグッズとよく使われる小物について解説します。

フラメンコ舞踊を習い始めるのに必要なもの

-女性はサパトス(フラメンコシューズ)と練習用ファルダ
-男性はボタ(フラメンコブーツ)

よく使われる小物

-パリージョ(カスタネット)
-アバニコ(扇)
-コルドベス(フラメンコ用帽子)
-マントン(大判ショール)

 

サパトス(フラメンコシューズ)

フラメンコ舞踊を習い始めるのに、最初に購入すべきはZapatos(サパトス)と呼ばれるフラメンコシューズです。一番安くてノーマルタイプの1万円くらい、プロフェッショナルタイプのグレードの高いものだと5万円以上するものもあります。

サパトスの表面は表か裏の皮でできていて、デザインも色も豊富にあり、靴底の足先とかかと部分は釘がうっています。

釘がないタイプも売っていますが、それは習う場所の床に傷をつけないよう配慮されたもので、習う教室の先生にどちらがいいか確認してから購入してください。

かかとの高さは3種類あり、最初は標準の高さ5センチで、色は黒がお勧めです。

一番安いサパトスは足の甲のところがゴムタイプで約1万円です。このゴムタイプは、ゴムが伸びてしまうと元に戻せないため寿命が短く、人によっては1,2年で使えなくなるようです。

長い目でみると、足が打ちやすいこの革ベルトタイプの方が5年以上は使えます(個人差あり)。予算が許すなら、革ベルトタイプ購入をお勧めします。

 

男性はボタと呼ばれるフラメンコブーツを履いて踊ります。女性がパンツ姿で踊る時、ボタを履いて踊ることもあります。日本にはボタがほとんど売っていないのでオーダーする必要があり、ボタが届くまで数か月かかるのは普通です。ボタが必要な方は時間に余裕をもって注文しましょう。

踊り手にとってサパトスは命みたいなもの。このサパトスで踊りやすさやサパテアードの音が変わります!必ず店頭で試し履きをして自分にあったサパトスを購入しましょう。

私はサパトスを何十足も買いましたが、当たりと外れがあります。自分の足にぴったり合い、相性がばっちりのサパトスに出会えると足の音質が変わりますので、これだけは妥協することなく自分にあったサパトスを探してください。

サパトス選びのポイントやメーカーについての詳細は、別記事で書きます。

 

練習用ファルダ(フラメンコスカート)

サパトスの次に購入が必要なのは、Falda(ファルダ)と呼ばれるフラメンコスカートです。

最近はネット通販で安いものがたくさん売られているので、値段は2000~20000円くらいです。

教室によって指定のものを購入しなければいけない場合があるようですが、自由に用意していいことを前提にすると、最初は着るだけでモチベーションアップしそうなボランテとよばれるフリルがついたもので、フラメンコらしい水玉がお勧めです。

本番用のスカート丈はくるぶしより下になり、かなり長くなりますが、練習用のファルダの丈はくるぶしより上の短めで問題ありません。

ファルダは、広がるタイプと腰にぴったりフィットするマーメイドタイプがありますが、初心者は広がるタイプが踊りやすいのでお勧めです。

最初はこのように広がるファルダがお勧めです。

上達してくるとマーメイドタイプのファルダが人気です。

サパトスはネット購入することをお勧めできませんが、練習用ファルダは失敗が少ないので、店頭に行けない人は通販で購入してみましょう。ただし、本番用の衣装はネット通販で買わず、必ず試着して体にぴったりフィットしたものを購入しましょう。

このファルダの他に、裾の長いバタ・デ・コーラ、バタより短めのコリンと呼ばれる長いスカートもあります。とても優雅で華やかですが、使う生地の量が多いため値段が高く、またこのコーラとよばれる尻尾部分をきれいに蹴り上げるのはとても筋力が必要で見た目よりハードです。

 

パリージョ(カスタネット)

フラメンコ用語でカスタネットのことをPalillos(パリージョ)といいます。スペインではCastañuelas(カスタニュエラ)ともいいます。

パリージョは、Machoと呼ばれるオスとHembraと呼ばれるメスの左右一対で、メスには紐の穴と穴のくぼみに切り込みがあります。

利き手(右利きは右に)にこのメスをつけます。メスのほうが高い音がでて、オスは低い音がでます。

 

パリージョについている紐を両手それぞれの親指にかけ、左手は中指だけで叩き、右手は小指、薬指、中指、人差し指の4本指を使って叩きます。この音をきちんと鳴らすのは個人差がありますが、とても時間がかかるので気長に練習をしていきましょう。

ネットで練習用カスタネットと書かれた2,3000円の安物が売られていますが、お土産用の音が鳴らないパリージョ(カスタネット)なので、いくら練習してもきれいな音は鳴りません。日本で購入するなら7000円以上のフィブラスタンダードが最初はお勧めです。

パリージョの詳細については、後日別記事でご紹介します。

 

アバニコ(扇)

フラメンコ舞踊で使われる扇子のことをAbanico(アバニコ)といいます。

32センチの大きいアバニコのことをスペインではPericon(ペリコン)と呼びます。

スペインには、アバニコのサイズはこのようにかなりあります。一番手前の長い32センチがぺリコンです。
下から3番目のアバニコが23センチで、最近よく使われるもの。一番上のアバニコは更に小さく19センチくらいで、ロシオ・モリーナなど若手がこのサイズでよく踊ります。

ぺリコン(32センチ)は5000~7000円前後、小さなアバニコ(23センチ前後)は2000円前後です。
中古品だともう少し安くなります。

15年以上前までは、スペインもペリコンのアバニコでよく踊られましたが、10年くらい前からスペインを代表する若手アーティスト ロシオ・モリ―ナ、コンチャ・ハレーニョ、ベレン・マジャ達が小さめのアバニコ(23センチ)を使って踊るようになってから、今ではペリコンで踊る人をスペインではほとんど見なくなりました。

日本では32センチのぺリコンを使う教室がまだ多いようです。アバニコを買う前に、必ずサイズを確認してから買いましょう。

 

コルドべス(帽子)

フラメンコ舞踊で使われる帽子はCordobes(コルドベス)といいますが、これは日本だけのようでスペインではsombrero(ソンブレロ)ともいいます。

ガロティンやタンギージョなどでよく使われ、初級生のあこがれる小物でもあります。

最初に持ちたいのは黒のコルドベス。サイズは、眉上から水平に後頭部を通った頭の円周の寸法で号数を選びましょう。ただし頭の形には個人差がありますので可能ならショップに行って試すことをお薦めします。コルドべスをかぶった時に頭の両サイドがピッタリはまり、踊っている時はコルドベスが緩まないくらいのサイズがベストです。

コルドベスの日本での相場価格は14000~20000円くらいで、1万円以下のものはふちがペラペラで持ちづらく踊りにくいので、後で買いなおしにならないようこの点に気を付けて購入してください。

 

マントン

大判ショールのことをManton(マントン)といいます。

マントンはサイズがいろいろあり、踊り用マントンは140×140センチ以上のものを使います。日本のマントンの相場価格は、5万~10万円くらいです(2021年現在)。130×130センチになると値段が安くなりますが、140センチより小さいサイズは踊りにくい上に舞台映えしません。踊り用で購入するなら必ず140センチ以上のものを購入しましょう。

著名な舞踊家ベレン・マジャやコンチャ・ハレーニョは、「マントンは必ず重みがなければいけない」と言っていますが、この重みとは刺繍で使われる糸の量と、フレコと呼ばれるフリンジの糸の量のことで、安物はとても軽く高いものは重みがあります。高価なものはそれだけ刺繍の量とフレコの量が違います。ここ数年、マントンをつくる職人が減っているため、マントンの値段は年々値上がりしていて、スペインに行く度に驚きます。

この10年くらい前に買ったマントンと同じ質のマントンが、今は倍くらいの値段になっています。
刺繍のこったもの、アンティークマントンはスペインで20万円以上もします。もし140センチの中古マントンが2,3万円で買えるなら、それはかなりのお特品です。

マントンは、体に巻き付けると衣装としても使えるため、大変重宝します。ある程度キャリアのある練習生は、このマントンで踊ることをあこがれるようですが、マントンを軽々と回して踊るのは相当な筋力がないとできないので、肩を故障しないよう筋トレが必要です。

 

この他にバストンと呼ばれる杖もありますが、バストンを使う教室は大変少ないので解説は省きます。

 

  • この記事を書いた人

松本真理子

Mariフラメンコ教室を主宰しながらフラメンコの魅力をブログで発信中。 フラメンコの聖地スペイン・へレスの伝統ある”ペーニャ・ラ・ブレリア”でメインのソリストとして出演を果たし、2019年にはへレスの国際的なフェスティバルの初日にラ・グアリダ・デル・アンヘルにて松本真理子リサイタルコンサートの快挙を成し遂げ、2021年第2回フラメンコWebフェスティバルにて動画作品”el Canal”が総合評価部門で入賞、関西テレビ「よーいドン」番組などのメディアでカリスマとして紹介された大阪のフラメンコ舞踊家。

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