はじめてフラメンコ舞台に立つ人たちのための、舞台メイクの仕方をご紹介します。
フラメンコの舞台メイクの仕方は人によって違いますが、必ず守らなければいけないルールは、ドウランの色は顔色より白くならないことです。
日本では「顔色は白っぽい方がきれい」という美学がありますが、スペインでは逆で顔色は日焼けしたmoreno(褐色)が健康的で美しいとされています。プロの踊り手で色白の人は、顔から首までドウランで褐色にする人がいるくらい、フラメンコの白い肌はNGです。
普段の化粧とは違い一度習ってもすぐに出来るものではないし、時間がたつと忘れてしまうので、舞台メイク方法がよくわからない練習生は参考にしてください。
|フラメンコ舞台メイクの仕方
1, 下地クリームをぬる
普段メイクで使っている下地クリームでもOKです。
私はサナエクセル グロウルミナイザー GL02を愛用しています。パールの発光感と美容オイル(保湿成分)のWの効果で、立体感のあるツヤ肌に導く化粧下地で普段メイクでも使っています♪
2, ドウランをぬる
下地クリームをぬったら、ドウランをぬります。
自分の肌色と同じか少しだけ濃い肌色1本と顔を立体的に見せるローライト用の濃い茶色系の1本、合計2本は必要。
私はチャコット スティックファンデーション110、101、141を使用。
ドウランは油性のため汗に強く肌をくっきり際立たせてくれるので遠目から見る舞台にかかせません。踊っていて汗でメイクがくずれないよう、特に目の周りはムラなくしつかりぬります。
フラメンコの舞台メイクは顔が白くなってはいけないので、必ず顔色より濃い色を購入してください。
ベースのドウランをぬったら、顔を立体的に見せるため、濃い色のドウランをエラや額の両側にぬり小顔効果を狙いながら立体的に仕上げます。
明るい色と暗めの色の境がなくなるようパッティングをしましょう。
この最初のドウランの塗り方で顔の印象がかなり変わりますので、適当にやらないよう時間をかけてください。
3, フェイスパウダーをのせる
フェイスパウダーをお顔全体にのせていきます。必ずパフを使って、ドウランがくずれないよう上からはたくようにのせましょう。
私はゲランのフェイスパウダー“メテオリット”を使いますが、これは写真映りがとてもいいので、普段メイクでも愛用しています。
チャコット フィニッシュパウダー ナチュラルか透明もお勧めです。
4, ノーズシャドウをいれる
眉の生え際から鼻の両サイドに影をいれます。鼻のトップのハイライトにぬらないよう気をつけましょう。
私はレブロンの茶系アイシャドウを使っていますが、茶系シャドウならメーカーにこだわる必要はありません。
大きな劇場で踊る場合、照明が強くあたりますし、後ろの方から見ると顔がよく見えないので顔が立体的に見えるようにしていきましょう。
5, 眉を描く
アイブロウペンシルで眉ラインを描きます。私はグレイッシュブラウン色のアイブロウペンシルを使います。
フラメンコ用の眉は眉山を上にあげてきりっと凛々しくします。眉頭から眉山まで少しずつ毛を足すように描くと失敗がありません。
眉山まで描けたら、眉山から耳に向かって下に眉尻を描きます。眉尻は鼻から目尻の延長線上まで描きましょう。
眉毛は顔の印象を決める大切なポイントなので、片方ずつ描くのではなく両方バランスよく描きましょう。
私は眉の形が左右違うので、毛抜きなどで左右のバランスを調整しています。
眉が描けたら、スクリューブラシで眉の濃淡と毛の流れを整えます。
6, ダブルラインを描く
目のくぼみアイホールにそってラインを描きます。
私は資生堂のインテグレード アイライナーペンシル ブラウンを使っています。
7, アイホールにベースをぬる
クリーム色のベースをアイホール内にぬると綺麗に仕上がります。特に化粧のノリが悪い方は是非ベースをぬってください。
化粧のノリがよい方はこのベース塗は不要です。
8, アイメイクをする
目をぱっちり立体的に見せるためアイホール内と目頭、目の下まで白く塗ります。
私はMACのスモールアイシャドウホワイトを使っています。とても発色がいいです。
眉山の下も白く塗ると顔が立体的になります。
茶色のシャドウをいれていきます。
私はMACのスモールアイシャドウムルシュを使ってい、ダブルラインから眉尻の上とアイホールをぼかすようにグラデーションをいれていきます。
シャドウをぬる時は、一度手の甲で余計な粉をとってからぬると綺麗に仕上がります。
左右のバランスを見ながら少しずついれていきましょう。
眉頭からノーズシャドウとアイホールのゾーンをきれいにつなげるように塗り足していきます。
これは慣れないと難しいので踊りの練習同様に事前に何度か練習をしましょう。
9, アイラインを描く
汗をかいても化粧崩れしないウォータープルーフのアイライナーを使って、アイラインを描いていきます。フラメンコ用のアイラインは目頭から上に向かって長めに描きます。まつ毛の際までしっかり塗りましょう。
慣れない人は、ペンシルで下書きをすると安心です。
目の形は人それぞれなので、アイラインも人それぞれ。自分の目にあったアイラインを研究してみてください。
目の下側にもアイラインを描きます。
自分が踊る会場の広さでアイラインの太さや位置が少し変わります。
もし描きミスをしたら綿棒でふきとりドウランをぬれば修正できますが、慎重に!
私は資生堂のマジョリカ マジョルカ ジェルリキッドアイライナー BK999がとても描きやすいので愛用しています♪
アイラインひとつでメイクの良し悪しが決まるので、これはきちんと描きやすいよいものを購入してください。
描きにくいライナーだとビシっと決めることが出来ません。せっかく練習して踊りはバッチリなのに、メイクはイマイチ!ではモチベーションが落ちてしまいます。
両側のバランスを確認してから、黒のシャドウで仕上げていきます。
私はMACのスモールアイシャドウ カーボンを使います。
目尻のラインを黒シャドウで太くしていき目尻の上下のラインのことろを黒く塗りつぶします。
目尻のアイラインを黒のシャドウで少しぼかし、逆側もバランスをみながらぼかしていきましょう。
舞台で踊る時は照明があたるので、ちょっとやりすぎくらいがちょうどいい感じです。
ダブルラインの上に細いブラシを使って黒のシャドウをいれて立体感をだしていきます。そして、ダブルラインとアイラインをつなげます。
★目を大きく見せる技
白のペンシルで目頭を白くします!
私はMACの白ペンシルを愛用しています。
10,つけまつ毛をつける
つけまつ毛に専用接着剤をつけ、アイラインの上側につけます。
目を開けたときにぱっちり見えるようにしましょう。両側につけると一気に顔が変わります。
つけまつ毛をしたことがない人は、最初は上手につけられないと思いますので、これも練習が必要です。
11,チークをいれる
頬骨の下にチークをいれますが、頬のところだけがピンク色にならないよう薄くのばしていきます。
照明があたると顔が真っ白になることがあり、おでこの両側にも軽くチークをのせて顔色をよく見せましょう。
私はキャンメイク パウダーチークPW18が一番あうのでこれを愛用していますが、自分の肌色に合った色を探してください。
大きな舞台で照明があたると薄いチークだと立体感がでないので、少し濃いくらいがちょうどいいです。
12,ハイライトをいれる
白のハイライトパウダーをTゾーン、鼻筋のトップ、目の下、あごにいれ、顔を立体的にします。
ここに白のハイライトパウダーをのせると立体感が変わります!
13,口紅を描く
赤のリップライナーで唇より少し大きめにベースを描きます。
ベースを描くことでメイク崩れを防ぎます。
踊りの合間に水分補給をしても、このベースをしっかり描けば、口紅の色は維持することができます。
★フラメンコメイクのポイント
茶色のペンシルで唇の輪郭を描きます。口角はきれいにそろえましょう。
これでぐっとフラメンコらしいメイクになります。
スペイン人バイラオーラ(踊り手)の中には、唇の輪郭しか描かない人もいます。
茶色の輪郭は消さないように赤い口紅を塗ります。
最後にティッシュで軽く押さえてなじませます。
これでフラメンコ舞台メイクは完成です!
舞台メイクは遠くから見ても顔がはっきりわかるメリハリが大切です。
強いライトがあたっても顔がのっぺらぼうにならないよう立体感をつけましょう。
派手すぎなメイクの方が舞台では映えます。
メイクの仕方は以下動画も参考にしてください。
短時間で見れるよう、クリームを塗るところなどは2~3倍速にし、初心者には難しい箇所はカットしました。
(例えば肌を立体的にみせるシェーディングパウダーはカットしています)
約13分にまとめましたが練習生のメイクは1時間くらいかかります。
普段メイクしない人には、特に目元メイクは難しいと思います。
必ずメイクの練習もしてくださいね♪
メイクの仕方は教室の先生によってやり方が違いますので、自分の所属する教室のやり方に従ってくださいね。
特に決まりがなく自由にメイクしてよい教室の方は、参考にしてください。
|フラメンコ舞台メイクに必要なもの一覧リスト
・化粧下地クリーム
普段使っている下地クリームでOK! 私はサナエクセル グロウルミナイザー GL02を愛用しています。パールの発光感と美容オイル(保湿成分)のWの効果で、立体感のあるツヤ肌に導く化粧下地で普段メイクでも使っています♪
・ドウラン 肌色と濃い色の2本
自分の肌色と同じか少しだけ濃い肌色1本と顔を立体的に見せるローライト用の濃い茶色系の1本、合計2本は必要。
私はチャコット スティックファンデーション110、101、141を使用。
・フェイスパウダー
私はゲランのフェイスパウダー“メテオリット”を使いますが、これは写真映りがとてもいいので、普段メイクでも愛用しています。
チャコット フィニッシュパウダー ナチュラルか透明もお勧めです。
・アイベースクリーム
私はカネボウ コフレドール 3Dトランスアイベース01を使っています。化粧のノリがいい人は不要。コンシーラで代用も可
・チーク
私はキャンメイク パウダーチークスPW18を使っています。照明があたると顔が真っ白になるので、頬紅は少し濃いくらいがちょうどよい感じに仕上がります。メーカーはどこのものでも、自分にあった色を探してください。
・ハイライトパウダー
私は資生堂のインテグレートデザインヴェール ホワイトを使っていますが、普段メイクしない人は白のアイシャドウで代用も可。
・茶系のアイシャドウ 少し明るめ茶色、茶色、こげ茶の3色
私はレブロンのアイシャドウとMACのスモールシャドウを使っています。これも自分の肌色にあったものを探してください。
・白のアイシャドウ
MACのスモールアイシャドウ ホワイト フロストは発色がいいのでお勧めです!
・黒のアイシャドウ
MACのスモールアイシャドウ カーボンは発色がいいので、とてもお勧めです!
・アイブロウペンシル
私はブロウラッシュEX グレイッシュブラウン色を使っています。メーカーはどこでもOKです!
・アイライナーペンシル 茶色
私は資生堂のインテグレート アイライナーペンシル ブラウン669を使っています!
・リキッドアイライナー ウォータープルーフタイプ
私は資生堂のマジョリカ マジョルカ ジェルリキッドアイライナー BK999がとても描きやすいので愛用しています♪
・白のペンシル
私はMACのアイカラー 白を使っています。
・赤の口紅
・あれば赤のリップライナーペンシル
・つけまつ毛と専用接着剤
(ダイソーのつけまつ毛でもOK)
※教室によっては、チャコットなどの高級つけまつ毛を指定するところもあるので、所属する先生に確認しましょう。
メイク道具
・ドウラン用スポンジ
・パウダー用パフ
・メイクブラシ一式
ノーズやアイシャドウ用の細いタイプ、中タイプ(幅約8ミリ)、中太(幅約10ミリ)、チーク用ブラシ、リップブラシ
・眉用スクリューブラシ
・ティッシュ、綿棒(アイラインを修正するときなどに便利)
※本番後、メイクを落として帰るのに、クレンジング、洗顔フォーム、基礎化粧品、タオルも必要です。